RED-S(相対的エネルギー不足)とは?
- 髙橋 大翔
- 2 日前
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前

皆さんこんにちは!
札幌市豊平区パーソナルジムR. Physio labです!
当店は豊平区中の島にあるダイエットを中心としたパーソナルジムです!!
今回は「カロリーと身体」についてです。
ダイエッターはもちろん、除脂肪体重を増やしたい方もカロリーは気にしていると思います
スポーツやダイエットの世界でよく耳にする「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad)」という言葉をご存じでしょうか?
これは
・エネルギー不足(摂取カロリーが少ない)
・月経異常
・骨密度の低下
この3つが同時に起こることで、女性アスリートに深刻な健康問題を引き起こすという概念です。
しかし近年、この考え方は大きく進化しました。
国際オリンピック委員会(IOC)は「三主徴」だけでは説明しきれない幅広い健康・パフォーマンスへの悪影響をまとめ、「RED-S(Relative Energy Deficiency in Sport:スポーツにおける相対的エネルギー不足)」 という概念を提唱しました。
このREDーSを元に、どのくらいのカロリーが必要なのか、計算方法も含めて解説します!
RED-Sとは?
RED-Sとは簡単にいうと、「食べる量(摂取エネルギー)が運動や生活で使う量に比べて不足している状態」です。
この状態が続くと、体は「省エネモード」に入り、さまざまな機能に悪影響が出ます。
RED-Sが引き起こす影響
IOCのコンセンサス(意見が一致していること)声明によると、RED-Sは体のあらゆるシステムに悪影響を及ぼします。
1. ホルモンバランスの乱れ
女性の場合:月経不順、無月経
男性の場合:テストステロン低下→筋肉量の減少や増加の抑制に関与します。
2. 骨の健康
骨密度が下がり、疲労骨折や骨粗しょう症リスクが上昇
3. 代謝への影響
代謝が落ち、エネルギー消費が低下
ダイエットしても痩せにくくなる状態に→飢餓状態に近いもの
4. 心身のパフォーマンス低下
筋力・持久力の低下
集中力・判断力の低下
ケガや病気にかかりやすくなる
5. 精神的な影響
食事制限への強迫観念
気分の落ち込み、不安
つまり、RED-Sは「痩せる」どころか、健康もパフォーマンスも奪ってしまう危険な状態なのです。
RED-Sと女性アスリート三主徴の違い
従来の「女性アスリート三主徴」は女性特有の問題に焦点を当てていましたが、RED-Sは以下の点で拡大されています。
対象:女性だけでなく男性も含まれる
影響:骨や月経だけでなく、代謝、免疫、心臓、心理面まで広範囲
つまり、スポーツをするすべての人に起こり得る問題です。
RED-Sになりやすい人の特徴
食事量が少ないまま運動量が多い人
「体重を落とさないといけない」というプレッシャーが強い競技(体操、陸上長距離、バレエ、格闘技など)
ダイエット志向が強い一般の方(特に女性)
実際には「プロ選手」だけでなく、ジムに通う一般の人やダイエット中の人にも起こり得る問題です。
RED-Sを防ぐためには?
RED-Sと「30kcalルール」
では、どのくらい食べないと「エネルギー不足」になるのでしょうか?という部分でよく引用されるのが、「除脂肪体重(FFM)×30kcal/kg/日」という目安です。
アメリカの研究者 Loucks らは、エネルギーの摂取量と運動消費量のバランスを
「エネルギー利用可能量(EA: Energy Availability)」という指標で表しました。
計算式はシンプルです。
EA = 摂取エネルギー − 運動で消費したエネルギー ÷ 除脂肪体重(kg)
例えば…
摂取エネルギー:2,000 kcal
運動で消費:500 kcal
除脂肪体重:50 kg
EA = (2,000 − 500) ÷ 50 = 30 kcal/FFM/kg/日
この「30」という数値が重要な基準になります。
30kcalを下回ると何が起きる?
Loucksらの実験によると、EAが30 kcal/FFM/kg/日を下回ると、次のような変化が出ることが示されています。
代謝の低下(省エネモードに入る)
性ホルモンの低下(女性:月経異常、男性:テストステロン低下)
骨の健康状態の悪化(骨代謝が抑制され、骨密度低下や疲労骨折のリスク増)
免疫機能の低下(風邪をひきやすくなる)
心理的影響(摂食障害のリスク上昇)
つまり「30」を切ると、体は「生命を守るために活動を制限し始める」と言えるのです。
この記事を読んでいる人も是非計算してみてください!!
自分の除脂肪体重×30kcal=摂取すべきカロリーの最低値
です!
この計算よりも摂取カロリーが低い人は危険な状態だと思っておきましょう!
まとめ
RED-Sは「エネルギー不足」が原因で起こる全身の不調
女性だけでなく男性にも起こり得る
ダイエットや運動を頑張る人ほど注意が必要
防ぐには「しっかり食べて、バランスよく運動する」ことが基本
30 kcal/FFM/kg/日を下回ると体に悪影響が出る
参考文献
IOC consensus statement: beyond the Female Athlete Triad—Relative Energy Deficiency in Sport (RED-S). Br J Sports Med. 2014;48(7):491–497.
Loucks AB, et al. Low energy availability in the marathon and other endurance sports. Sports Med. 2007;37(4-5):398–412.
Loucks AB, Thuma JR. Luteinizing hormone pulsatility is disrupted at a threshold of energy availability in regularly menstruating women. J Clin Endocrinol Metab. 2003;88(1):297–311.
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