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【最新研究】なぜ人は不健康な食べ物を選んでしまうのか?

不健康な食べ物


「体に良いと分かっているのに、ついジャンクフードを選んでしまう」

「ダイエット中なのに甘いものがやめられない」


こうした経験は、多くの人に共通しています。実はこれは意志の弱さだけが原因ではありません

2025年に発表されたこの論文では、食べ物を選ぶ“決め手(ドライバー)”が、健康的な食品と不健康な食品で本当に違うのか?を、数多くのレビュー論文を統合して検証しています。


食べ物を選ぶ「ドライバー」とは?

この研究でいう「ドライバー」とは、私たちが食べ物を選ぶときに影響を受ける要因のことです。

  • 主に以下のような要素が含まれます。


① 人口動態要因(年齢・性別・社会経済状況など)

② 環境要因(手に入りやすさ・価格・販売環境)

③ 家庭環境・生活習慣 ④ 知識とスキル

⑤ 身体的特徴・健康状態

⑥ 食品そのものの特性(製品特性)

⑦ 心理的要因

⑧ 社会的要因


この論文では、健康的な食品(野菜・果物・全粒穀物など)と不健康とされやすい食品(高脂肪・高糖質・超加工食品など)で、これらの影響がどう違うのかを整理しています。


① 人口動態要因(年齢・性別・社会経済状況など)

健康的な食品を選びやすいのは、女性、高学歴、高収入、社会経済的地位が高い人、高齢者です。

一方で、低所得層では不健康な食品を選びやすい傾向が見られます。


また興味深い点として、低所得や社会経済的地位が低いこと、若年層であることは、健康的な食品選択を妨げる要因になります。


さらに一部の研究では、高学歴であっても健康的な食行動が実践されないケースがあり、知識と実行の間にはギャップが存在することが示唆されています。


② 環境要因(手に入りやすさ・価格・販売環境)

食品が身近にあるかどうか(入手しやすさ・在庫状況)は、健康・不健康の両方の食品選択に強く影響します。

健康的な食品は、手に入りやすく、十分に在庫があり、適切にマーケティングされている場合に選ばれやすくなります。


一方、不健康な食品は、安価で手軽に購入できることが選択を後押しします。

逆に、健康的な食品が高価で手に入りにくい環境では、それ自体が健康的な食品選択の大きな阻害要因となります。


③ 家庭環境・生活習慣

身体活動量が多い人、新しいことを取り入れる習慣がある人、家族や配偶者と同居している人、交通の利便性が高い環境にいる人は、健康的な食品を選びやすい傾向があります。


一方で、独居や孤独、長時間労働、時間や利便性を優先せざるを得ない生活は、不健康な食品選択につながりやすくなります。


また、健康的な食事をしようとしても、家族の好み、忙しさ、変化を嫌う生活習慣が障壁となり、実践が難しくなるケースも多く見られます。


④ 知識とスキル

料理スキルが高いこと、栄養や機能性食品に関する知識があることは、健康的な食品選択を強く後押しします。


反対に、料理ができない、あるいは調理経験が乏しいことは、健康的な食行動を妨げる大きな要因となります。


⑤ 身体的特徴・健康状態

健康状態が良好な人、あるいは健康上の問題を抱えている人や体重・BMIが高めの人は、健康を意識して食品を選ぶ傾向があります。また、朝型の生活リズム(クロノタイプ)も健康的な食選択と関連します。


一方で、歯の状態が悪い、感覚や知覚が低下している、夜型の生活リズムは、不健康な食品選択と関連します。さらに、身体的な健康状態が悪い場合は、健康的な食品を選ぶこと自体が難しくなります。


⑥ 食品そのものの特性(製品特性)

ナチュラルな食品、栄養成分が明確な食品、色分けなどで分かりやすく表示された栄養ラベルは、健康的な食品選択を促します。

一方で、賞味期限が短いことは、健康的な食品選択の障壁となることがあります。


⑦ 心理的要因

健康や栄養への関心、将来の健康に対する不安、自己管理能力(自己規制)、前向きな感情は、健康的な食品選択を支えます。


対照的に、ストレス、否定的な感情、感情的な摂食、疲労や覚醒目的での摂取は、不健康な食品選択を引き起こしやすくなります。また、モチベーション不足、自制心や自己効力感の低さは、健康的な食行動を妨げる要因となります。


⑧ 社会的要因

家族、友人、地域社会からのサポートは、健康的な食品選択を強く後押しします。

一方で、周囲からの否定的な影響や同調圧力は、健康的な食品選択の妨げになります。




決定的な違い:即効性 vs 長期的価値

この論文の核心はここです。

不健康な食品

健康的な食品

すぐ満足できる

将来の利益を重視

感情・気分が影響

意識・習慣が影響

環境に左右されやすい

計画性が必要

そのため、「健康的な食事を選ぼう」と気合だけで頑張るのは、実はとても難しいことが分かります。


ダイエットが続かない本当の理由

この研究結果は、ダイエットが続かない理由も説明しています。

  • 不健康な食品は努力しなくても選ばれやすい構造になっている

  • 健康的な食品は意識・準備・習慣化が必要

つまり、環境を変えずに意志力だけで戦うと負けやすいということです。


今日からできる「食選択」を変えるコツ

論文の知見から導かれる実践的なポイントは以下です。

① 環境を先に整える

  • 家にお菓子を置かない

  • 野菜や果物を目につく場所に置く

② 健康的な食事を「習慣」にする

  • 毎日同じ朝食

  • 定番のヘルシー間食を決める

③ ストレス対策を食事以外で持つ

  • 軽い運動

  • 入浴

  • 睡眠

これは「根性論」ではなく、人間の食行動の仕組みに沿った戦略です。


引用文献

Bethany Parkes, et al. Do the Drivers of Food Choice Differ Between Healthier and Less Healthy Foods?A Systematic Review of Reviews.Nutr Rev. 2025; nuaf202.


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