トレーニングを休むと筋肉はどこまで失われるのか?
- 髙橋 大翔
- 7 日前
- 読了時間: 5分

「数週間〜数か月、トレーニングを休んでしまった」そんな経験がある人は少なくないはずです。
仕事、怪我、家庭の事情、モチベーション低下──理由はさまざまですが、多くの人が共通して不安に思うのは、
「せっかくつけた筋肉や筋力が、全部なくなるんじゃないか?」
という点でしょう。
今回は、この疑問に対して非常に示唆的な2つの研究を組み合わせて、「トレーニング休止(デトレーニング)が身体に何をもたらすのか」を整理します。
① 10週間完全に休むと筋肉はどう変化する?
― Halonen et al. (2024)
まず紹介するのは、Eeli J. Halonen(2024)の研究です。
この研究の最大の特徴は、「かなり長い完全オフ期間」を意図的に挟んでいる点にあります。
研究デザイン
対象:レジスタンストレーニング未経験の健康な成人(男女混合、約55名)
期間:最大30週間
比較した2群:
① 休息なし群
20週間連続でレジスタンストレーニング(週2回)
② 休息あり群
10週間トレーニング
10週間完全に何もしない(デトレ)
10週間再トレーニング
評価項目
筋力:レッグプレス・バイセプスカールの1RM
筋量:外側広筋・上腕二頭筋の筋断面積(超音波)
パフォーマンス:CMJ(カウンタームーブメントジャンプ)
驚くべき結果:最終的な到達点はほぼ同じ
20週間のトレーニングを終えた時点で比較すると、
筋力(1RM)
筋サイズ(筋断面積)
いずれも、途中で10週間完全に休んだ休息群と、休まず続けた群でほぼ差がありませんでした。
つまり、
「途中でガッツリ休んでも、最終的に到達できる筋力・筋肥大レベルはほぼ同じ」
という結果です。
休息期間中に何が起きていたのか?
もちろん、休んでいる間は何も起きていないわけではありません。
休息群では
筋断面積
最大筋力ともに有意に低下しました。
ただし重要なのは、
完全にトレーニング前レベルまで戻ることは少なかった
特に最大筋力は、筋サイズよりも良く保たれていた
という点です。
再開すると、驚くほど早く戻る
再トレーニングを始めると、
最初の5週間以内に
筋力
筋量の多くが休止前レベルまで回復。
最終的には、休まず続けた群と同等の成果に到達しました。
②「筋力」と「筋肥大」は、休んだときの運命が違う
― Encarnação et al. (2022)
次に、Irismar G. A. Encarnação(2022)によるシステマティックレビューを見ていきます。
この論文は、「トレーニングをやめた後、身体はどう変わるのか?」を、多数の研究をまとめて整理したものです。
筋力:意外としぶとく残る
レビュー全体の傾向として、
トレーニング終了直後の筋力向上は非常に大きい
その後、16〜24週間の休息があっても非運動者より明らかに高い筋力を維持しているケースが多い
と報告されています。
短期〜中期の休止では、
筋力は低下する
しかし「トレーニング前以下」まで落ちることは少ない
この理由として、著者らは
神経系の適応(運動単位の動員や発火パターン)は、筋サイズの変化よりも持続しやすい
と解釈しています。
筋肥大:筋力よりは落ちやすい
一方で、筋量(筋断面積・筋厚など)は、
休息期間に比較的早く減少しやすい
多くの研究で有意な減少が確認されている
という結果でした。
ただし、
すべてが元に戻るわけではない
介入期間が長く、獲得量が大きいほど休息後も一定量が残る傾向
も同時に示されています。
再トレーニングで起きること
いくつかの研究では、
「トレーニング → 休止 → 再開」を繰り返す周期的筋トレ
「休まず続ける筋トレ」
を比較しても、最終的な筋肥大量は同程度になるケースが報告されています。
これは、いわゆる“マッスルメモリー”現象と整合的な結果と考えられています(※本レビュー自体は機序の直接検証は行っていません)。
2つの論文から見える、現実的な結論
これらの研究を合わせて考えると、次のことが言えます。
✔ トレーニングを休んでも「貯金」はゼロにならない
数週間〜数か月の休止があっても筋力・筋量は完全には失われにくい
再開すれば、比較的短期間で戻しやすい
✔ ただし、休んだ分だけ「時間」は余計にかかる
Halonen研究では
連続群:20週間で到達
休止群:30週間で同じ到達点
結果は同じでも、効率は悪くなる
✔ 筋力 > 筋肥大の順で残りやすい
筋力は神経適応のおかげで比較的維持されやすい
筋肥大は落ちやすいが、回復も早い
実務的・現場的メッセージ
仕事・怪我・生活事情で10週前後のブランクがあっても、「すべてが無駄になる」と考える必要はない
ただし、休めばその分ゴールが近づくわけではない
特に高齢者では、完全な中止より最低限の負荷維持が望ましい
トレーニングは「一度止まったら終わり」ではありません。むしろ、
続けられない時期があっても、戻れる身体を作っておくこと
これこそが、長期的に見た本当のトレーニング戦略だと言えるでしょう。
引用文献
Halonen EJ, Ahtiainen JP, Walker S, Häkkinen K.Does Taking a Break Matter—Adaptations in Muscle Strength and Size Between Continuous and Periodic Resistance Training.Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2024.
Encarnação IGA, Azevedo PHSM, et al.Effects of Detraining on Muscle Strength and Hypertrophy Induced by Resistance Training: A Systematic Review.Sports Medicine. 2022.
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