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COLUMN
パーソナルジムコラム


アスリートはビタミンサプリメントを飲むべき?「効く場合」と「やりすぎ」の境界線
「運動しているなら、ビタミンサプリは必須?」そんな疑問に答えるレビュー論文が、2026年に発表されました。 掲載誌は栄養学分野の国際ジャーナル Nutrients 。 この論文は、過去約10年間の研究を整理し、 ビタミン補給はどこまで有効か?どこからが“やりすぎ”なのか? を総括しています。 結論を一言でいうと、 「不足があるなら有効。でも、足りている人に“上乗せ効果”はほぼない」 というものです。 まず大前提:ビタミンは超重要 ビタミンは、 エネルギー代謝 赤血球の生成 免疫機能 骨や筋肉の働き などに不可欠な“補助因子”です。 不足すれば当然、パフォーマンスは落ちます。 問題は、 「足りている人が、さらに摂ったらどうなるか?」 という点です。 ビタミンC・E(抗酸化ビタミン) 良い点 運動による酸化ストレスを軽減 筋肉痛やダメージを和らげる可能性 回復促進 注意点 高用量を長期間摂ると、 ミトコンドリアの増加 トレーニング適応(筋肥大など) を鈍らせる可能性があると報告されています。 →「回復を助けるが、適応を邪魔する可能性もある」 大量摂取
3月3日


音楽・自律性・感情がトレーニングや集中力に与える影響 – 最新研究からわかったこと
運動や勉強で「疲れた…」「やる気が出ない」と感じることは誰にでもあります。 最近の研究では、 音楽・自分で選ぶ自由(自己選択)・トレーニングの楽しさ が、疲労やパフォーマンス、運動継続に大きく影響することが明らかになってきました。 今回は3つの最新研究から、実生活で活かせるポイントをまとめます。 1. 音楽は精神的疲労を和らげる 2025年の研究では、精神的疲労下でのパフォーマンスに音楽がどのくらい効果があるかを調べた9件の研究をまとめています。 主なポイント リラックス音楽・興奮音楽・好みの音楽 はいずれも、精神的疲労の自覚を下げる効果がある EEG(脳波)の指標でも、音楽を聴くと疲労の少ないパターンが出る 認知タスク (ワーキングメモリ、抑制制御など)は、音楽で改善される 特にテンポ120 bpm以上の速い音楽(興奮音楽)は反応速度改善に有利 運動パフォーマンス (持久走や反復タスク)は、自分の好みの音楽でより改善される 実生活への応用 勉強や仕事で集中したいとき → リラックス音楽や興奮音楽をBGMに スポーツや持久運動 →...
2月17日


高重量じゃなくても筋肥大は起こる?― 高負荷 vs 低負荷トレーニングを9週間比較した最新研究 ―
「筋肉を大きくしたいなら、重たい重量を使わないと意味がない」トレーニング現場では、今でもよく聞く考え方です。 しかし近年は、 軽い重量でも限界まで追い込めば筋肥大は起こる という研究が増えてきています。 今回は研究をもとに、 高負荷と低負荷で筋肥大はどう違うのか 筋力の伸びはどちらが有利なのか テストステロンなどのホルモンは関係あるのか をわかりやすく解説します。 研究の概要 対象者 レクリエーションレベルの若年男性 17名 平均年齢:20.4歳 トレーニング経験はあるが、競技者ではない グループ分け 高負荷群(8名) → 85%1RM(かなり重い重量) 低負荷群(9名) → 30%1RM(かなり軽い重量) トレーニング内容 週3回、 全身トレーニング 各種目 3セット すべて限界まで反復 (ここが重要) 介入期間: 9週間 評価項目 筋肥大:筋厚(超音波) 上腕二頭筋 上腕三頭筋 大胸筋 大腿直筋 大腿二頭筋 筋力:1RM、等速性トルク 唾液ホルモン テストステロン コルチゾール(安静時・運動直後、3週ごとに測定) 主な結果①:筋肥大はどうなっ
2月9日


クレアチンを飲むと筋肉は増える?「最初だけ増えたように見える」最新研究から分かる本当の話
「クレアチンを飲むと筋肉が増える」トレーニング界隈ではよく聞く話ですが、実際に体組成としてどれくらい増えるのかは意外と誤解されやすいポイントです。 2025年に発表されたランダム化比較試験(RCT)では、 クレアチン5 g/日を13週間摂取した場合の除脂肪量(LBM)の変化 を、かなり厳密に検証しています。 この記事では、その研究結果をもとに「クレアチンは本当に筋肥大に効くのか?」を分かりやすく解説します。 研究の概要:何を調べたのか? この研究では、 クレアチン摂取だけの期間 → トレーニング期間 という流れを分けて評価している点が特徴です。 対象者 男女63名(女性34名・男性29名) 平均年齢:31±8歳 トレーニング経験はバラバラ(初心者〜経験者混在) グループ分け クレアチン群 クレアチンモノハイドレート 5 g/日を13週間摂取 コントロール群 サプリメントなし スケジュール 週0 :DXA(X線)で除脂肪量(LBM)を測定 週1 : クレアチン群:7日間クレアチンのみ摂取(運動なし) 再度DXA測定 週2〜13 : 両群とも同じ全身
1月30日


トレーニングを休むと筋肉はどこまで失われるのか?
「数週間〜数か月、トレーニングを休んでしまった」そんな経験がある人は少なくないはずです。 仕事、怪我、家庭の事情、モチベーション低下──理由はさまざまですが、多くの人が共通して不安に思うのは、 「せっかくつけた筋肉や筋力が、全部なくなるんじゃないか?」 という点でしょう。 今回は、この疑問に対して非常に示唆的な 2つの研究 を組み合わせて、「トレーニング休止(デトレーニング)が身体に何をもたらすのか」を整理します。 ① 10週間完全に休むと筋肉はどう変化する? ― Halonen et al. (2024) まず紹介するのは、Eeli J. Halonen(2024)の研究です。 この研究の最大の特徴は、 「かなり長い完全オフ期間」を意図的に挟んでいる点 にあります。 研究デザイン 対象:レジスタンストレーニング未経験の健康な成人(男女混合、約55名) 期間:最大30週間 比較した2群: ① 休息なし群 20週間連続でレジスタンストレーニング(週2回) ② 休息あり群 10週間トレーニング 10週間完全に何もしない(デトレ) 10週間再トレーニン
1月29日


足部ポジションの違いは、スクワットの筋活動と力学応答をどう変えるのか
スクワットにおいて「足の置き方」が筋活動や関節負荷に影響することは、トレーニング現場では経験的に知られています。しかし、その影響を 筋電図・関節運動・床反力といった多角的な指標から定量的に評価した研究 は多くありません。 今回紹介する研究内容は、足部ポジションのわずかな違いが、スクワット中の筋活動と力学応答をどのように変調させるのかを詳細に検討しています。 足の置き方が違うスクワットがどのように筋活動を変えるのか 被験者 抵抗トレーニング経験(平均8年)を有する健常成人男性12名 クロスオーバーデザイン(同じ被験者で期間を分けて比較検討)の前向き介入研究 足部ポジション条件 フラットヒール(FH) かかと挙上(HE) :足関節背屈が強調される条件 つま先挙上(FE): 足関節が相対的に底屈位となる条件 実施種目 フロントスクワット バックスクワット(両種目をすべての足部条件で実施) 評価指標 表面筋電図(大腿四頭筋群、ハムストリングス、下腿筋群など) 関節角度(特に膝関節・足関節) 床反力(垂直成分・前後成分) 姿勢安定性指標 大腿四頭筋は足部ポ
1月27日


最新研究】筋トレ後のお風呂は意味がある?自宅でできる「入浴」が身体適応に与える影響
筋トレ後、「すぐシャワーで済ませる派」「しっかり湯船につかる派」に分かれる人は多いと思います。 さらに最近は、 トレーニング後の入浴が回復や身体づくりに影響するのでは? という視点から、研究も進んでいます。 2025年に発表された研究では、高強度レジスタンストレーニング後に行う“自宅での入浴”が、筋力や身体の適応にどのような影響を与えるのかを詳しく検証しています。 入浴は筋トレ後の身体にどんな影響があるのか? 対象者 健康な若年男性31名 トレーニング 短期間(2週間)の 高強度レジスタンストレーニング いわゆる、 筋力・筋肥大を狙うハードな筋トレ が行われています。 介入内容:3つの回復方法 被験者は、トレーニング後に以下のいずれかを実施しました。 ① シャワーのみ ② 36℃の湯船に浸かる ③ 40℃の湯船に浸かる その期間中、対象者は脚の筋トレ(膝を伸ばす運動)を合計5回行いました。 この研究は筋トレの際に入浴の違いで筋肉や心血管機能はどう変化するのか?というものです。 使用された筋トレは1RM60%の負荷で10回3セット行うという内容でし
1月19日


【最新研究】可変抵抗トレーニングとフリーウエイト筋力アップに本当に効果的なのはどっち?
筋トレをしていると 「バーベルやダンベルのフリーウエイトが王道」 「最近はゴムやチェーンを使ったトレーニングも良いらしい」 といった話を耳にすることがあります。 2025年に発表されたこの論文では、 可変抵抗トレーニング と フリーウエイトトレーニング を比較し、 長期的な筋力向上 1回のトレーニング直後の筋力変化 筋力評価方法の違い について、複数の研究をまとめて分析しています。 可変抵抗トレーニングとは? 可変抵抗トレーニングとは、 動作の途中で負荷が変化するトレーニング方法 です。 代表例としては、 バーベル+ゴムバンド バーベル+チェーン などがあります。 関節角度や動作位置によって「力を出しやすいところでは負荷が重く」「力を出しにくいところでは負荷が軽く」なるのが特徴です。 どちらの方法が筋肉の成長に良いのか? このシステマティックレビューとメタ解析では、 可変抵抗 vs フリーウエイト トレーニング期間(数週間〜数か月) 筋力の測定方法(1RM、ジャンプ力など) を比較し、 「どちらが筋力向上に優れているか」 を総合的に評価してい
1月15日


炭水化物をたくさん摂っても「筋肉」はすぐ回復しない?最新研究が示した“意外な事実”
「トレーニング後は、とにかく炭水化物をたくさん摂れば回復する」そう思っている人は多いかもしれません。 しかし、2025年に発表された最新研究では、 かなり大量の炭水化物を摂取しても、筋肉の回復は思ったほど早く進まない ことが示されました。 運動後の高炭水化物摂取で糖は回復するのか? この研究では、 よく鍛えられた自転車競技者 を対象に、 エルゴメーターを用いた高強度運動を実施 その後6時間までは30分ごとにショ糖飲料水を摂取(6時間で7.2g/kg) 8時間後と10時間後の2回は炭水化物(1.4g/kg)を含む食事の摂取 体重1kgあたり10g という非常に多い量の炭水化物を摂取 という条件で、**肝臓と筋肉に蓄えられるグリコーゲン(糖の貯蔵量)**がどう回復するかを調べました。 結果はどうだったのか? 結論は、とてもシンプルです。 肝グリコーゲン(肝臓の糖)は速やかに回復した(6時間で100%回復) しかし、 筋グリコーゲン(筋肉の糖)は十分に回復しなかった(12時間で70%回復) つまり、 👉 炭水化物を大量に摂っても、まず回復するのは「肝
1月8日


【最新研究】高校生アスリートの成長とパフォーマンスを支える「ライフスタイル医学・6つの柱」とは?
部活動やクラブチームで頑張る高校生アスリートにとって、「練習量」や「才能」だけが結果を決めるわけではありません。 2025年に発表されたこの システマティックレビュー では、ライフスタイル医学(Lifestyle Medicine)の「6つの柱」が高校生アスリートの 競技パフォーマンス 体力・回復力 ケガや不調のリスク にどのような影響を与えるのかが、数多くの研究をもとに整理されています。 ライフスタイル医学の「6つの柱」とは? ライフスタイル医学とは、 薬や治療に頼る前に「生活習慣そのもの」を整えることで健康と能力を高める考え方 です。 この分野では、以下の6つが重要な柱とされています。 栄養(食事) 身体活動・運動(トレーニング) 睡眠 ストレス管理 有害物質の回避(喫煙・過度なアルコールなど) 社会的つながり・メンタルサポート このレビューでは、これらが 高校生アスリートの競技力にどう関係するか を検証しています。 ① 栄養:パフォーマンスの「土台」 研究全体を通して、 食事の質と量は競技力の基盤 であることが示されています。 特に重要なの
2025年12月26日
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