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夜に走ると睡眠は悪化する?



「夜にトレーニングすると眠れなくなる」

「走った日は身体が熱くて寝付きが悪い」


そんなイメージを持っている人は多いと思います。


実際、運動後は交感神経(興奮モード)が高まり、体温も上がるため、


“運動は睡眠を邪魔するのでは?”


と言われることがあります。


しかし今回紹介する研究では、

女子長距離ランナーを対象に、


「持久走トレーニングをした日の夜、睡眠や皮膚温はどう変わるのか?」


を調べたところ、


“睡眠は大きく悪化せず、むしろ睡眠時間が延びる可能性”


が示されました。


今回はこの研究を、一般の人にも分かりやすく解説していきます。



■ 夜走ると睡眠の質はどうなる


この研究では、

女子長距離ランナー11名を対象に、


・トレーニング日

・休養日


を比較しながら、


夜間の


・皮膚温

・睡眠状態


を7日間連続で測定しました。


特に注目したのは、


「持久走トレーニング後、身体の熱や睡眠がどう変化するか」


です。



■ なぜ“皮膚温”が重要なの?


睡眠と体温はかなり密接に関係しています。


人間は眠る時、

深部体温(身体の内部温度)を下げようとします。


そのために、

皮膚から熱を逃がす反応が起こります。


つまり、


“体温調節がうまくいくと眠りやすい”


ということです。


逆に、


・交感神経が高い

・深部体温が下がらない

・熱がこもる


状態では睡眠が乱れやすくなります。



■ 結果①:睡眠は大きく悪化しなかった


研究結果では、


トレーニング日でも、

睡眠は大きく崩れませんでした。


さらに、

トレーニング日は睡眠時間が延長する傾向もみられました。


つまり、


「持久走をしたから眠れなくなる」


とは限らないことが示されたんです。



■ 結果②:皮膚温の“変動幅”が小さくなった


今回の研究で特に面白いのがここです。


平均皮膚温そのものには大きな差はありませんでした。


しかし、


“皮膚温の変動幅”


に違いがありました。


就寝後180分間における、


最高温度 − 最低温度


を比較すると、


【トレーニング日】

1.85 ± 0.75℃


【休養日】

2.26 ± 0.74℃


で、

トレーニング日の方が変動が小さかったんです。


しかも効果量は比較的大きめでした。


つまり、


“トレーニング日は夜間の皮膚温変動が安定していた”


可能性があります。



■ 時間ごとの変化も興味深い


皮膚温の推移を見ると、


・就寝10〜20分後

→ 休養日の方が低い


・就寝60分後

→ 休養日の方が高い


という特徴がありました。


つまり、

休養日の方が温度変動が大きく、


トレーニング日は比較的フラットだったんです。


この辺りは、

運動後の体温調節適応が関係している可能性も考えられます。



■ なぜランナーは睡眠が崩れにくいの?


長距離ランナーは、


・自律神経適応

・熱放散能力

・回復能力


が高い傾向があります。


また、

日常的にトレーニングしているため、


“運動刺激に身体が慣れている”


可能性もあります。


一般人が急に高強度運動をすると睡眠が乱れることもありますが、


トレーニング習慣がある人では反応が違うのかもしれません。



■ 「夜トレ=悪」ではない


よく、


「夜に運動すると睡眠が悪化する」


と言われます。


確かに、


・超高強度

・寝る直前

・長時間

・カフェイン併用


などでは睡眠が乱れるケースがあります。


しかし今回の研究を見ると、


“持久走トレーニングが必ず睡眠を悪化させるわけではない”


ことが分かります。



■ むしろ適度な運動は睡眠改善にもつながる


適度な運動習慣は、


・入眠改善

・睡眠時間増加

・睡眠の質向上


と関連する研究も多いです。


運動によって、


・ストレス軽減

・体温リズム調整

・日中活動量増加


などが起こるためと考えられています。



■ 夜トレする人が意識したいポイント


夜にトレーニングする場合は、


“興奮状態を引きずらないこと”


が重要です。


具体的には、


・寝る直前の超高強度を避ける

・トレ後に照明を暗くする

・スマホ刺激を減らす

・カフェインを遅い時間に摂らない

・入浴やストレッチで副交感神経を優位にする


などが有効です。



■ まとめ


今回の研究では、

女子長距離ランナーにおいて、


持久走トレーニングを行った日でも、


・睡眠は大きく悪化せず

・むしろ睡眠時間延長がみられ

・夜間皮膚温の変動幅は小さくなった


ことが報告されました。


つまり、


「夜に運動すると必ず眠れなくなる」


とは言い切れません。


重要なのは、


・運動強度

・終了時間

・トレーニング習慣

・個人差


です。


特に運動習慣がある人では、

身体がうまく適応している可能性も考えられます。


夜トレが不安な人も、

まずは自分の睡眠反応を観察しながら調整していくのが良さそうです。



引用文献

Saya Okamoto, et ai. Changes in nocturnal-skin temperature and sleep parameters following endurance training sessions in female long-distance runners. Phys Act Nutr. 2026 Mar;30(1):58-62



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