加熱されたタンパク質の「糖化」が体に与える意外な影響とは
- 髙橋 大翔
- 11 分前
- 読了時間: 4分

皆さんこんにちは!
今回はタンパク質に関しての解説をしようと思います!
「乳製品はタンパク質が豊富で、健康に良い」と聞いたことがある方も多いはず。でも、実は加工の仕方によっては、その栄養価が大きく変わってしまう可能性があるのです。
皆さんが普段から飲んでいるであろうホエイプロテインも乳製タンパク質なので、乳製品に類似します。
今回は、2025年の最新論文をもとに、「乳製品に含まれるたんぱく質が、加熱や保存によってどのように変化するのか」、そして「それが私たちの体にどう影響するのか」を解説します。
糖化(Glycation)って何?
まず押さえておきたいのが「糖化」という現象です。
糖化とは、タンパク質中のアミノ酸(特にリジン)に糖が結合して変性する反応で、「メイラード反応」とも呼ばれます。これは、食べ物を加熱したときに香ばしさや色が出る原因でもあります。
しかし、栄養学的にはリジンが糖と結びつくと、体内で使えなくなってしまう(=栄養価が下がる)という問題があるのです。
研究の概要:糖化された牛乳たんぱく質の吸収率は?
この研究では、健康な成人男性に対して、以下の2種類の乳製タンパク質を与えたときのリジン(必須アミノ酸)の吸収率を比較しました。
糖化していないホエイタンパク質
糖化させたホエイタンパク質(リジンに糖が結合している状態)
参加者は両方の飲料を摂取し、血中のアミノ酸濃度やタンパク質合成の指標が測定されました。
結果:糖化がリジンの「生体利用率」を大きく下げた!
研究の結果、糖化されたホエイたんぱく質を摂取したグループでは、以下のような影響が確認されました:
血中リジン濃度の上昇が有意に低下
タンパク質全体の吸収も低下傾向
筋タンパク質合成への影響が懸念される
つまり、加工・保存中に糖化した乳製タンパク質は、体内で効率よく使われない可能性があるということです。
なぜこれは重要なの?
リジンは、体内で合成できない「必須アミノ酸」のひとつであり、筋肉や皮膚、免疫機能などにとって非常に重要です。
牛乳やプロテイン製品はリジンを多く含む優秀な食品ですが、加熱処理(特に長時間の高温殺菌やUHT処理)、加糖製品(フレーバーミルクなど)では、糖化のリスクが高くなります。
実生活で気をつけたいポイント
注意点 | 解説 |
加熱済み・長期保存の牛乳製品 | リジンの糖化リスクがある |
フレーバーミルク(チョコ・ストロベリーなど) | 加糖で糖化反応が進む可能性 |
液体プロテイン飲料 | 成分表示をチェック!加糖+高温処理の可能性あり |
タンパク質はシンプルに調理 | 極端な加熱や焦げつきは避ける |
まとめ:タンパク質も「質」が大事!
近年は「タンパク質をたくさん摂れば健康になる」と言われがちですが、どんな形で、どんな状態で摂るかも同じくらい大切です。
特に筋肉や体力の維持を目的にプロテインや牛乳を飲んでいる人は、「糖化されたタンパク質」の影響にも注意が必要です。
栄養を“摂っているつもり”でも、体がうまく利用できていないかもしれません。次回、牛乳やプロテインを選ぶときには「糖化」をちょっとだけ思い出してみてくださいね。
引用文献
van Lieshout GA, Mes JJ, van den Broek TJ, Schols HA, Senden JM, Gijsen AP.Protein glycation compromises the bioavailability of milk protein-derived lysine in vivo in healthy adult males: a double-blind, randomized cross-over trial.Am J Clin Nutr. 2025 Apr;
札幌市豊平区でパーソナルジムに通うなら「R.Physio lab」へ!
札幌市豊平区中の島にあるパーソナルジム R.Physio lab
医療系国家資格保有のトレーナーがマンツーマンで皆様のダイエットをサポートしていきます
・ダイエットが上手くいかない
・ダイエットの方法が分からない
・ダイエットが続かない
・トレーニングで身体を痛めた
・トレーニングは一人では頑張れない
という理由で痩せることを諦めないでください!
当店に来て正しく健康になるダイエットを始めましょう!!
Comments