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GLP-1受容体作動薬によるダイエットの危険性と、なぜ“食事+運動習慣”が本命なのか

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はじめに:今、ダイエットの選択肢としての薬

「痩せたい」思いから、食事制限や運動だけでは十分な成果が得られずに悩む人は少なくありません。そんな中で近年、GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA:glucagon-like peptide-1 receptor agonists)が、体重減少に強い効果を示す薬として注目を浴びています。

ただし、この“魔法のような薬”にもリスクや限界があります。薬だけで体重を落とすことには危険を伴う可能性があり、最終的には「食事・運動という基本」が揺るぎない土台となります。本記事では、GLP-1受容体作動薬の利点と落とし穴を医学文献に基づいて整理し、なぜ健康的なダイエットには薬+生活習慣が必要かを解説します。


GLP-1受容体作動薬の仕組みとメリット

まず、薬の仕組みと利点を簡単に押さえましょう。

  • GLP-1(腸が食事後に出すホルモン)は、インスリン分泌を促したり、食欲を抑制したり、胃の内容物の排出を遅らせたりします。これらの機能を真似させる薬がGLP-1受容体作動薬です。

  • この薬を使うと、食欲が抑えられ、少ない食事量で満足できるようになることが期待されます。

  • 実際、肥満治療の研究では、食事・運動併用下で、薬を使う群がより大きな体重減少を示すことが多いです。

  • また、脂質代謝改善・血糖改善など、体重だけでなく代謝性疾患リスクの改善にも寄与する報告があります。たとえば、心血管疾患リスクや脂質プロファイル改善につながる可能性が示唆されている研究もあります。AHA Journals+1

これらの“効く薬”という側面が、GLP-1受容体作動薬が脚光を浴びる理由です。


GLP-1受容体作動薬のリスク・注意点

しかし、どんな薬にも「副作用・不適切使用リスク」がつきものです。以下は、文献等に報告されているGLP-1使用時の主な問題点・注意点です。

リスク/注意点

内容

消化器症状

吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の副作用が非常に多く報告されています。実際、これらの副作用で薬を中止せざるをえない例もあります。PMC+1

膵炎・胆嚢疾患

稀ではありますが、急性膵炎や胆嚢関連イベントの報告もあります。PMC+1

胃排出遅延・消化管運動の問題

食べ物が胃から腸へ移行する速度を遅らせる作用があるため、消化不良・胃もたれを訴える人もいます。PMC+1

顔貌変化 (“Ozempic Face”)

急激な脂肪減少により、顔がこけたりたるんだ印象になるという美容的な懸念も報じられています。Harvard Health

利用者による制御困難・食行動の異常

食欲過剰抑制が行き過ぎて、食べる意欲そのものが極端に落ちたり、食物回避行動に陥る例も報告されています。特定の患者では、GLP-1使用中に食欲が完全に消え、“液体食のみ”にしてしまうケースも記録されています。PMC

心腎・膵臓への長期的影響

最近の大規模な観察研究では、GLP-1系薬使用者に、腎臓関連障害や膵臓リスク増加の関連性も示唆されています。WashU Medicine

不正製剤・品質リスク

調剤形GLP-1が正規品ではない形で流通したり、適切な保管がされず品質が劣化するリスクも挙げられています。U.S. Food and Drug Administration

また、GLP-1が非常に“効く”ため、「少量の食事で済ませよう」という誤った方向に走る可能性を“危険領域(danger zone)”として警鐘を鳴らす論考もあります。PMC

これらの副作用・リスクは、「薬を使えば安全に痩せられる」という単純な期待を過大評価してはいけない理由です。


なぜ“食事と運動習慣”がダイエットの本命なのか?

GLP-1受容体作動薬は強い補助的手段になり得ますが、薬だけで痩せ続けることには限界とリスクがあります。そのため、薬を使うにせよ使わないにせよ、食事と運動習慣の土台なしには持続的かつ健康なダイエットは成り立ちません。理由を以下に整理します。

  1. 薬をやめればリバウンドリスクが高い GLP-1をやめると食欲が戻り、体重が元に戻る例が報告されます。薬に依存した痩せ方では、元に戻るリスクが大きいです。

  2. 薬だけでは筋肉・代謝を維持できない 減量中は筋肉も失われがち。その点、筋肉を維持・増強するには運動(特にレジスタンス/筋トレ)が不可欠です。運動がないと基礎代謝低下を招き、痩せにくい体質になってしまいます。

  3. 食事習慣・栄養知識は将来にも使える 薬を使っていても、日常の食事で「何を・どれくらい食べるか」が継続的な体重維持に大きな影響を与えます。知識と習慣は一生モノです。

  4. 薬の作用とうまくかみ合わせる必要がある 薬による“食欲抑制・消化変化”の影響を考慮しつつ、栄養バランスを整えた食事と適度な運動を組むことが、最も安全かつ効果的なアプローチです。

  5. 個人差が大きい 体質、病歴、薬への反応、運動適性など人により差があります。薬はあくまで補助的選択肢であり、万人に同じ効果をもたらすわけではありません。


安全なダイエット方針:薬+習慣のバランスモデル

以下は、「GLP-1受容体作動薬を使いたい」「使う可能性がある」人にも適用できる、安全性を意識したダイエットモデルの例です。

フェーズ

方針

内容例

導入期

医師・専門家と相談

体の状態をチェックし、GLP-1使用可否を適切に判断

併用期

薬+食事制御+運動を同時進行

医師の処方に従いながら、無理ない食事制限と筋トレ・有酸素を取り入れる

モニタリング期

定期チェックと調整

副作用、体調変化、心理面を定期評価、食事量や運動量を調節

維持期

薬の徐々の減量検討

痩せた体を維持するために薬を減らす検討をしつつ、習慣を主役へ移行

このような段階的・包括的アプローチにより、薬の恩恵を得ながらも、リスク管理と習慣の定着を両立させられます。


結論:薬は補助であり、習慣こそ王道

  • GLP-1受容体作動薬は強力な体重減少補助薬になり得ますが、消化器症状、膵炎、食行動異常、不正使用などのリスクが存在します。

  • 薬に頼るだけのダイエットには「やめた後の体重戻り」「筋肉や代謝の低下」などの課題があります。

  • だからこそ、食事・運動習慣を主体としたダイエットの実践が不可欠です。薬が補助役であり、習慣が主役です。

  • 薬を使う場合でも、必ず医師・栄養士・トレーナーと連携し、安全を見守りながら進めることが大切です。


「痩せたい」思いを薬にだけ託すのではなく、自分の体と向き合い、知識と習慣で支える「持続できる健康ダイエット」を選びましょう。



引用文献

  1. Singh G, Krause C, Tamm A, et al. GLP-1 receptor agonists in obesity management: cardiovascular and metabolic effects. J Am Heart Assoc. 2023;12(5):e029282. doi:10.1161/JAHA.122.029282. ahajournals.org


  2. Vilsbøll T, et al. Safety and tolerability of GLP-1 receptor agonists in the treatment of type 2 diabetes and obesity: a review. Front Endocrinol (Lausanne). 2024;15:1463567. doi:10.3389/fendo.2024.1463567. pmc.ncbi.nlm.nih.gov


  3. Mezuk B, et al. Inside the “danger zone”: GLP-1 receptor agonists, appetite suppression, and risk of disordered eating. Int J Eat Disord. 2024;57(3):541–546. doi:10.1002/eat.24293. pmc.ncbi.nlm.nih.gov


  4. Harvard Health Publishing. GLP-1 diabetes and weight-loss drug side effects: Ozempic face and more. Harvard Medical School. 2024. health.harvard.edu


  5. Washington University School of Medicine. Study identifies benefits, risks linked to popular weight loss drugs.2024. medicine.washu.edu


  6. U.S. Food and Drug Administration (FDA). FDA’s concerns with unapproved GLP-1 drugs used for weight loss.2023. fda.gov


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