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執筆者の写真髙橋 大翔

筋トレしない筋肉は萎縮する~2024/5月の最新研究~


札幌市豊平区中の島エリアでダイエット&メディカルパーソナルジムR.Physio labを運営している高橋です!医療系国家資格保有パーソナルトレーナーがお伝えするダイエット講座です!


皆さん筋トレは継続していますか?

これから露出の多いシーズンに入るので、ここでやめずに継続したトレーニングを心がけましょう!

筋トレは全身鍛えることができているでしょうか?

全身を鍛える方がダイエットにも効果的ですし、見た目もバランス良くなります

しかし筋トレ初心者の方は特に上半身のみを鍛えがちです



筋トレをしていない筋肉がどうなるのかを考えたことはあるでしょうか?

例えば今日は胸のトレーニングをした時に脚の筋肉量は変化しているのか?ということです


研究では筋トレをした部位の筋肥大率や筋力増強については様々報告がありますが、トレーニングしなかった部位についての調査はほとんどありません


これに関してある大学が2024年に研究をしたようです

今回はその研究を基に解説をしていきます!



トレーニングしない筋肉はどうなるのか

この研究では、筋トレ経験のない方を対象に10週間のトレーニングを行いました

トレーニングを行う部位としては、上腕二頭筋(力こぶ)、上腕三頭筋(二の腕)、大腿四頭筋(腿前)、ハムストリングス(腿裏)です


それぞれをアイソレーション(一つの関節を動かす)トレーニングにて鍛えるという方法です

トレーニング内容は


上腕二頭筋:アームカール

上腕三頭筋:肘を伸ばすトレーニング

大腿四頭筋:レッグエクステンション(膝を伸ばす種目)

ハムストリングス:レッグカール(膝を曲げる種目)


となっています


また対象者にはトレーニング期間中は自由な食事を摂ってもらい、通常の食事パターンで生活してもらいました


結果としては、トレーニングで使用された上腕二頭筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋・ハムストリングスに関しては筋肉量は有意に増加していました


しかし、使用していない大内転筋(太ももの内側)やヒラメ筋(ふくらはぎ)の筋肉量は有意に減少していたのです



更に使用しなかった筋肉量の減少はエネルギー摂取量やタンパク質摂取量が少ない対象者で多く生じるという結果も出ています


まとめると、鍛えた部位は筋肉量が増加し、鍛えていない部位は維持ではなく萎縮するということ、それはエネルギー制限や減量中の人に多くみられるということです



ではなぜ使用しない筋肉は萎縮したのでしょうか?


使用しない筋肉が萎縮する原因


食事から十分なエネルギー摂取量やタンパク質量が得られていない場合、摂取された栄養素は血流によってトレーニングで使用された筋肉へ優先的に供給される可能性があります


筋トレで使用した筋肉は血流が増加するのでアミノ酸の取り込み量も増加しますが、使用していない筋肉ではこのような増加が見られないという報告もあります


そのため使用した筋肉ではタンパク質の合成が高まりますが、使用されていない筋肉ではエネルギーとタンパク質の不足で筋分解が進んでしまうという可能性があるのです


ではなぜ大内転筋とヒラメ筋が萎縮したのでしょう?

この研究を行った研究者のよると、大内転筋は太ももの中で1番筋断面積が大きく、ヒラメ筋はふくらはぎの中で最も筋断面積が大きいため、栄養の不十分状態の影響を受けやすく、筋萎縮が生じやすいと推察しています(Voronov AV,2003、Takizawa M,2014)



また筋肉は遅筋線維と速筋線維というものに分かれます

遅筋線維は速筋線維よりも萎縮しやすい性質があり、ヒラメ筋や大内転筋は遅筋が多いことから

(Gao Y, 2018、Johnson MA,1973)筋萎縮が生じやすいとされているのです



どうしても良い体のイメージは胸板が厚く、腹筋が割れていてと上半身のイメージが強いですが、上半身ばかりのトレーニングでは太ももやふくらはぎの筋肉が減少していく可能性がありますので、スクワットやデッドリフトなど全身性の種目も取り入れるようにしましょう!!



【参考文献】


Van Vossel K, et al. Evidence for simultaneous muscle atrophy and hypertrophy in response to resistance training in humans. Med Sci Sports Exerc. 2024 May 1.


Steenberg DE, et al. A single bout of one-legged exercise to local exhaustion decreases insulin action in nonexercised muscle leading to decreased whole-body insulin action. Diabetes. 2020 Apr.


Voronov AV, et al. Anatomical cross-sectional areas and volumes of the muscles of the lower extremeties. Hum Phys. 2003.


Takizawa M, et al. Why adductor magnus muscle is large: the function based on muscle morphology in cadavers. Scand J Med Sci Sports. 2014 Feb.


Gao Y, et al. Muscle atrophy induced by mechanical unloading: Mechanisms and potential countermeasures. Front Physiol. 2018 Mar 20.


Johnson MA, et al. Data on the distribution of fiber types in thirty-six human muscles. An autopsy study. J Neurol Sci. 1973 Jan.



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