朝食を抜く中高生が増えている理由。男女で違う欠食のサイン
- 髙橋 大翔
- 3 時間前
- 読了時間: 6分

札幌市豊平区中の島にあるパーソナルジムR. Physio labスタッフの髙橋です!
今回は朝食に関しての解説をします!
「朝食は1日のうちで最も大切な食事」とよく言われますが、実際には中高生の朝食欠食(朝ごはんを抜くこと)は世界的に増加傾向にあります。
2026年5月に発表された韓国の大規模調査では、朝食欠食に関わる要因が男女でどう違うのかが詳しく調べられました。
今回はその内容を、思春期のお子さんを持つ方にもわかりやすく解説します。
なぜ朝食を食べることが推奨されているのかを記事を読んで感じてください!!
朝食欠食は年々増えている
この研究では、韓国の中学生・高校生54,653名を対象にした2024年の全国調査データが分析されています。
まず注目したいのは、朝食欠食そのものの傾向です。
韓国では、週5日以上朝食を抜く生徒の割合が、2013年の26.4%から2024年には42.45%まで増加しています。
これは韓国に限った話ではなく、アメリカの高校生でも2013年に38%だった朝食習慣のある生徒の割合が、2023年には27%まで低下しているとの報告があり、ヨーロッパの複数の国でも同様の傾向が指摘されています。日本でも思春期の朝食欠食は長年の健康課題とされており、決して他人事とは言えない状況です。
朝食を抜く子は男子より女子に多い
今回の調査では、朝食を「非欠食(週5日以上摂取)」と「欠食(週4日以下)」に分けて集計しています。その結果、男子は朝食を摂取している生徒(27.0%)の方が欠食している生徒(24.4%)よりも多かったのに対し、女子は逆に、欠食している生徒(25.7%)の方が摂取している生徒(22.9%)よりも多いという結果になりました。
年齢別に見ると、学年が上がるにつれて朝食欠食の割合は増加する傾向があり、特に17歳・18歳で欠食の割合が高くなっていました。
高校生は中学生よりも欠食しやすく、また体格が肥満傾向にある生徒、家庭の経済状況が厳しい生徒、学業成績が振るわない生徒ほど、朝食を欠食しやすい傾向も示されています。
朝食欠食に関わる要因
この研究では、朝食欠食と関連する要因を「身体的な健康」「心の健康」「食生活の習慣」という3つの側面から調べています。
身体的な健康の面では、運動不足、睡眠の質の低さ、自分の体型を「太っている」と感じていること、自分の健康状態を「良くない」と感じていることが、男女ともに朝食欠食と関連していました。
心の健康の面では、過去12ヶ月以内に強い悲しみや絶望感を感じた経験がある生徒は、そうでない生徒よりも朝食を欠食しやすい傾向が見られました。
食生活の習慣の面では、糖分を含む飲料(炭酸飲料やエナジードリンクなど)やファストフードを頻繁に摂取している生徒ほど、朝食を欠食しやすいことも示されています。不規則な食生活は、一つの習慣だけでなく、複数の食習慣が連鎖して起きやすいということです。
男女で違いが見られた2つのポイント
今回の研究で特に興味深いのは、これらの要因のうち、一部の関連の強さが男女で異なっていたという点です。
1つ目は「運動習慣」との関連です。
運動をよくしている生徒ほど朝食を欠食しにくいという傾向自体は、男女ともに見られました。しかし、この関連の強さは、女子よりも男子の方がはっきりと出ていました。
研究チームは、男子は健康的な食習慣と運動習慣を結びつけて捉えやすい一方、女子は体型管理など心理的な理由で運動をする傾向があることが背景にあるのではないかと考察しています。
2つ目は「自分の健康状態への感じ方」との関連です。
自分の健康状態を「良くない」と感じている生徒ほど朝食を欠食しやすいという傾向は、男女ともに見られましたが、この関連は男子よりも女子の方がはっきりと出ていました。
つまり、女子の場合、「自分は健康ではないかもしれない」という感じ方の変化が、朝食を抜くという行動により強く結びつきやすいということです。
なぜこの結果が大切なのか
この研究が示しているのは、「朝食を食べましょう」という一律の呼びかけだけでは不十分かもしれない、ということです。
男子には、運動習慣と食生活を結びつけたアプローチが響きやすい可能性がある一方、女子には、体調や心身の状態への向き合い方に寄り添ったアプローチの方が、朝食習慣の改善につながりやすい可能性があります。
研究チームも、男女それぞれの特性を踏まえた栄養教育プログラムの必要性を、この結果の重要な意義として挙げています。
家庭でできること
この研究はあくまで韓国の中高生を対象にした調査であり、そのまま日本の状況に当てはめられるわけではありませんが、共通して参考にできる視点はあります。
お子さんの朝食欠食が気になる場合、「朝ごはんを食べなさい」と言うだけでなく、睡眠時間は足りているか、最近元気がない様子はないか、体型を気にしすぎていないか、といった背景にも目を向けてみることが、根本的な改善の糸口になるかもしれません。
特に女子の場合は、体調や気持ちの浮き沈みへの声かけが、朝食の習慣づくりにもつながる可能性があるということは、覚えておきたいポイントです。
知っておきたい研究の限界
この研究は、ある一時点でのアンケート調査(横断研究)であるため、「運動不足だから朝食を抜くようになった」のか「朝食を抜いているから運動不足になった」のかといった、原因と結果の順番までは明らかにできません。また対象が韓国の中高生に限られているため、他の国や文化にそのまま当てはまるとは限らない点にも注意が必要です。
まとめ
今回紹介した研究では、中高生の朝食欠食が年々増加している中、その背景には運動習慣、睡眠の質、体型や健康状態への感じ方、心の健康、食生活の乱れなど、複数の要因が絡み合っていることが示されました。
中でも、運動習慣との関連は男子で、健康状態への感じ方との関連は女子で、それぞれより強く現れるという結果は、朝食指導や栄養教育を考えるうえで見過ごせないポイントです。
朝食は1日のエネルギーや栄養を支える大切な習慣です。その習慣づくりには、食事そのものへの働きかけだけでなく、運動、睡眠、心の状態といった生活全体への目配りが欠かせないと言えそうです。
参考文献
Lee, J.H. An Exploration of Adolescents' Breakfast Skipping Focused on Gender Difference. Nutrients. 2026 May 7;18(10):1487.
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