お尻の上部と下部では鍛える種目が違う?最新研究で分かった筋肥大の違い

「お尻を丸くしたい」
「お尻の上の部分にボリュームが欲しい」
「ヒップアップしたい」
こうした目的でトレーニングをしている人は多いと思います。
お尻のトレーニングには、ヒップスラスト、キックバック、ヒップアブダクション、スクワットなど、さまざまな種目があります。
では、どの種目を選んでも、お尻の筋肉は同じように大きくなるのでしょうか?
2026年10月に発表された研究では、股関節を後ろに伸ばす運動と、脚を横に開く運動を10週間続けた場合の筋肉の変化を調べました。
その結果、どちらの運動でも大殿筋は大きくなりましたが、発達しやすい部位が異なっていました。
今回は、その研究を分かりやすく解説します。
まず、お尻の筋肉について知ろう
お尻には複数の筋肉があります。
その中でも代表的なのが、大殿筋・中殿筋・小殿筋です。

大殿筋は、お尻の大部分を覆っている大きな筋肉です。主に股関節を後ろに伸ばす動きなどに働きます。
中殿筋と小殿筋は、お尻の横側から深い部分に位置する筋肉です。脚を横に開いたり、片脚で立ったときに骨盤を安定させたりする働きがあります。
さらに、大殿筋も一つのまとまりとして、すべての部分が同じ働きをしているわけではありません。
場所によって筋線維の走る方向や、動作への関わり方が異なります。
そのため、種目によって筋肉の発達する場所が変わる可能性が考えられていました。
動きの違いでお尻の成長が変わるのか
研究に参加したのは、平均年齢約28歳の男女17人です。
参加者は10週間、週2回のトレーニングを行いました。
今回の研究で特徴的なのは、同じ人の左右の脚で異なる種目を行ったことです。
片脚では、股関節伸展運動。
もう片脚では、股関節外転運動。
左右どちらにどの運動を割り当てるかは、ランダムに決められました。
トレーニング量は、それぞれ週約10セット。
負荷は8〜12回程度で限界になる重さです。
そして、トレーニング前後にMRIを使用して、お尻の筋肉の大きさを調べました。
MRIを使うことで、筋肉が実際にどの程度大きくなったのかを確認できます。
比較した2つのトレーニング
今回比較したのは、ケーブルを使った2種類の運動です。
1つ目は、股関節伸展運動です。
立った状態で脚を後ろに動かす、いわゆるケーブルキックバックのような種目です。
2つ目は、股関節外転運動です。
立った状態で脚を身体の横方向に開く、ケーブルヒップアブダクションのような種目です。
どちらもお尻のトレーニングとしてよく使われます。
しかし、股関節を動かす方向が違います。
今回の研究では、この違いが筋肥大にどのような影響を与えるのかを調べました。
結果① 大殿筋全体は股関節伸展のほうが大きくなった
まず、大殿筋全体の結果です。
10週間のトレーニング後、大殿筋の断面積は
股関節伸展運動:約9%増加
股関節外転運動:約5%増加
という結果でした。
どちらの種目でも大殿筋は大きくなっていましたが、股関節伸展運動のほうが全体的な筋肥大は大きくなりました。
つまり、今回の条件では、大殿筋全体を大きくするという点では、脚を後ろに伸ばす運動が有利だったということです。
ただし、ここからが今回の研究で特に面白い部分です。
結果② 大殿筋の上部は、脚を横に開く運動で大きくなった
研究者は、大殿筋を上部・中部・下部に分けて調べました。
すると、大殿筋の上部では、
股関節伸展運動:約5%増加
股関節外転運動:約10%増加
という結果になりました。
つまり、全体的な筋肥大では股関節伸展運動が優れていた一方で、大殿筋の上部では股関節外転運動のほうが大きな変化を示したのです。
これは、お尻の上の部分を鍛えたい人にとって興味深い結果です。
ただし、筋肉の断面積が増えたことと、実際にお尻の形がどのように変わったかは同じではありません。
今回の研究では、見た目の美しさやヒップラインの変化を直接評価したわけではありません。
結果③ 大殿筋の下部は、股関節伸展運動で大きくなった
反対に、大殿筋の下部では大きな違いがありました。
股関節伸展運動:約14%増加
股関節外転運動:約1%増加
という結果です。
つまり、大殿筋の下部では、脚を後ろに伸ばす運動のほうが明らかに大きな変化を示しました。
大殿筋の中部でも
股関節伸展運動:約8%増加
股関節外転運動:約4%増加
となっていました。
今回の結果を整理すると、股関節伸展運動では大殿筋の中部から下部、股関節外転運動では大殿筋の上部に、比較的大きな筋肥大がみられたことになります。
結果④ 中殿筋・小殿筋にも違いがあった
次に、大殿筋以外の筋肉です。
今回の研究では、中殿筋と小殿筋も調べています。
ただし、2つの筋肉はまとめて測定されているため、それぞれがどの程度大きくなったのかは分かりません。
結果は
股関節伸展運動:約2%増加
股関節外転運動:約4%増加
でした。
股関節伸展運動では、中殿筋・小殿筋の明確な筋肥大は確認されませんでした。
一方、股関節外転運動では小さいながらも筋肥大が確認されました。
つまり、脚を横に開く運動は、大殿筋の上部だけでなく、中殿筋・小殿筋にも刺激を与えられる可能性があります。
なぜ種目によって発達する場所が違うの?
理由の一つとして考えられるのが、筋肉の働きの違いです。
大殿筋は、すべての筋線維が同じ方向に走っているわけではありません。
大殿筋の下部は、股関節を後ろに伸ばす動作に大きく関わります。
一方、大殿筋の上部には、股関節を横に開く動作にも関わる筋線維があります。
そのため、脚を後ろに動かす運動と横に開く運動では、筋肉の各部位にかかる負荷が異なると考えられます。
今回の研究では、実際の筋肥大にもその違いが表れました。
ただし、筋肉の内部でどのように力が分配されたのかを直接測定したわけではありません。
そのため、詳しい仕組みについては今後の研究が必要です。
お尻を大きくしたいなら、どちらの種目を選ぶべき?
今回の結果から考えると、大殿筋全体を大きくしたい場合には、股関節伸展運動が有力な選択肢になります。
一方で、大殿筋の上部や中殿筋・小殿筋にも負荷をかけたい場合には、股関節外転運動を取り入れる価値があります。
つまり、どちらか一方が絶対的に優れているというよりも、鍛えたい筋肉の部位によって種目を選ぶことが重要だと考えられます。
例えば、お尻全体の発達を目的とするなら、股関節伸展運動と股関節外転運動の両方を取り入れる方法が考えられます。
ただし、今回の研究では両方を組み合わせたグループを調べていません。
そのため、2種目を組み合わせれば必ず最も大きくなると証明されたわけではありません。
ヒップスラストやスクワットでも同じことが言える?
ここは注意が必要です。
今回使用されたのは、ケーブルによる股関節伸展運動と股関節外転運動です。
ヒップスラスト、スクワット、ルーマニアンデッドリフト、マシンアブダクションなどを直接比較したわけではありません。
同じ股関節伸展運動でも、種目によって負荷のかかり方や可動域は異なります。
そのため
「ヒップスラストでも下部が14%大きくなる」
「マシンアブダクションなら上部が10%大きくなる」
と、そのまま当てはめることはできません。
今回の結果は、あくまで研究で使用されたケーブル種目によるものです。
今回の研究の限界
今回の研究は、MRIを使用して筋肉の変化を調べていることが大きな強みです。
また、同じ人の左右の脚で異なる運動を行っているため、体質や生活習慣などの個人差をある程度抑えて比較できます。
一方で、参加者は17人と少人数でした。
研究期間も10週間です。
長期間トレーニングを続けた場合に、同じような部位別の筋肥大が起こるかは分かりません。
また、今回の結果は若年成人を対象としたものであり、トレーニング経験が豊富な人や高齢者でも同じ変化が起こるとは限りません。
そして、測定したのは筋肉の断面積です。
実際のヒップラインや見た目の変化を直接評価したわけではありません。
まとめ|お尻は種目によって発達する場所が変わる可能性がある
今回の研究では、17人の若年成人を対象に、10週間の股関節伸展運動と股関節外転運動を比較しました。
その結果、大殿筋全体では
股関節伸展運動:約9%増加
股関節外転運動:約5%増加
という結果でした。
しかし、大殿筋を部位別に調べると、違った結果がみられました。
大殿筋の上部では、股関節外転運動のほうが大きく発達しました。
反対に、大殿筋の下部では、股関節伸展運動のほうが大きく発達しました。
さらに、股関節外転運動では中殿筋・小殿筋にも小さな筋肥大が確認されました。
つまり、今回の研究から分かったのは、お尻の筋肉は、どんな運動を行うかによって発達する場所が変わる可能性があるということです。
お尻を鍛えるときには、単純に「どの種目が一番効くのか?」だけを考えるのではなく、
「お尻のどの部分を鍛えたいのか?」
という視点も大切になります。
今回の研究は、目的に応じてトレーニング種目を選ぶ重要性を示した興味深い結果と言えるでしょう。
参考文献
Attarieh P, Nunes JP, Khani S, et al. Regional Hypertrophy of the Gluteal Muscles Is Task-Specific: Differential Responses to 10 Weeks of Hip Extension Versus Hip Abduction Training.
Journal of Strength and Conditioning Research. 2026 Oct 7. Online ahead of print.
札幌市豊平区パーソナルジムなら「R.Physio lab」へ!
札幌市豊平区パーソナルジム R.Physio lab
地下鉄中の島駅から徒歩3分の好立地で運営しております!!
医療系国家資格保有のトレーナーがマンツーマンで皆様のダイエットをサポートしていきます!!
・ダイエットが上手くいかない
・ダイエットの方法が分からない
・ダイエットが続かない
・トレーニングで身体を痛めた
・トレーニングは一人では頑張れない
という理由で痩せることを諦めないでください!
当店に来て正しく健康になるダイエットを始めましょう!!
👉 中の島パーソナルジム[R. Physio lab]公式サイト




コメント