食事が胃・ホルモン・満腹感に与える影響：健康体と肥満の違いに迫る研究

髙橋大翔
5 日前
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更新日：3 日前

皆さんこんにちは！

札幌市豊平区パーソナルジムR. Physio labです！当店は豊平区中の島にあるダイエットを中心としたパーソナルジムです！

今回は「満腹感」についての解説です。

満腹感は「もう食べられない」「もう少し食べられそう」と言ったように個人の感覚による表現ですよね。

食後の消化や満腹感の感じ方は人それぞれなのは不思議に思ったことはありませんか？

今回の研究では、健康な体重の人と肥満の方で、「標準化された食事」後の胃の動き・血糖・インスリン反応・胃腸ホルモン・満腹感などを比較しています。

食事内容が満腹感に影響を与えるのか？

対象：健康な成人男性20名（正常体重10名、肥満体重10名）
介入：全員が前日の夜から絶食し、翌朝、施設でMRI検査と採血を実施。その後、標準化された食事（500g・約600kcal）を摂取しました。
食事内容としては、パスタ、トマトソース、チーズなどで構成された、炭水化物・脂質・タンパク質をバランス良く含む内容になっています。
評価項目：
- 胃の内容量と胃の排出（胃の重さや消化時間）
- 上腸間膜動脈血流、小腸内水分量（腸の状態）
- 各種食欲ホルモン（PYY, ghrelin, GLP‑1, GLP‑2）、血糖、インスリン値
- 自覚的満腹感（食べた後の満足感）

結果

1. ● 肥満者の方が食後の満足感が低い傾向

正常体重者に比べ、肥満の男性では食事後の満腹感が弱く、早めに空腹を感じやすいことが確認されました。
→ 満腹感を得にくいと、つい過食傾向になりやすく、体重維持が難しくなる可能性があります。

2. ● 胃の消化・内容量や腸の反応に違い

同じ食事でも、肥満者では胃から腸への移動や血流、小腸水分量などがやや異なり、消化プロセスに個人差があることが示唆されました。

3. ● 食欲ホルモンの反応が異なる

食後、PYYやGLP‑1（満腹ホルモン）が通常上昇し、ghrelin（空腹ホルモン）が低下しますが、肥満者ではこれらのホルモン変化が抑制的である傾向。
→ ホルモン分泌の違いが満足感の低下に影響している可能性があります。

4. ● 血糖・インスリン反応にも差

血糖値やインスリンの上昇・下降の仕方にも、肥満者の方が代謝応答が鈍い傾向。
→ 食後の血糖コントロールが難しく、インスリン抵抗性のリスクにもつながる可能性があります。

日常ではどんな意識が必要？

肥満の方は、同じ量を食べても満腹感が得にくく、“食べすぎ”につながりやすいという傾向があります。
胃腸の動きや満足感を支える、PYY・GLP‑1などのホルモン反応が弱くなる傾向もあります。
食事中はゆっくり噛む、間隔を空けて満腹感を感じる工夫をすることが、満足度を高めるのに役立つかもしれません。
また、食後の血糖・インスリン反応が鈍いと、糖代謝に影響が出る可能性あり。食後の軽い活動（散歩など）で血糖上昇を抑える習慣も役立ちます。

研究から得られるヒント

観点	内容
満腹感	肥満者では得にくく、過食につながるかも
胃腸機能	消化スピードや内容量、ホルモン反応に違い
ホルモン反応	PYY・GLP-1は満腹、ghrelinは空腹を調整
代謝応答	血糖・インスリンの反応が鈍い傾向あり

日常でできる工夫

よく噛む、ゆっくり食べることで満腹感を支援
野菜や繊維質のある食品でPYYやGLP‑1の分泌を促す
食後に軽く体を動かすことで血糖とインスリンの急上昇を抑える
自分の満足感と食欲のリズムを理解して、“過食パターン予防”を意識する

引用文献

Simpson EJ, Althubeati S, Cordon S, Hoad C, Bush D, Eldeghaidy S, Gowland PA, Macdonald IA, Lobo DN. The effect of oral feeding on gastrointestinal function, motility and appetite‑regulating hormones, insulin, glucose and satiety in normal weight individuals and those with obesity. Clin Nutr. 2025 Jul 8

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40714600/