ウォームアップは重いスクワットじゃなくてもいい?最新研究が示したPAPEの新たな可能性とは
- 髙橋 大翔
- 5 時間前
- 読了時間: 4分

札幌市豊平区中の島にあるパーソナルジムR. Physio labスタッフの髙橋です!
今回はウォーミングアップに関しての解説をします!
試合前やトレーニングで高重量に挑戦する前、「少し重い重量で刺激を入れるとパフォーマンスが上がる」と聞いたことはありませんか?
これはPAPE(Post-Activation Performance Enhancement:活性化後パフォーマンス向上)と呼ばれる現象です。
一般的には重いスクワットなどを行って筋肉や神経を活性化させますが、「疲労が残ってしまう」というデメリットもあります。
そこで2026年に掲載された研究では、多方向に抵抗がかかるMulti-dimensional Elastic Band(MEB)を用いたウォームアップと、高重量スクワットによるウォームアップを比較し、PAPEの効果と時間経過を検証しました。
今回は、その研究内容をわかりやすくご紹介します。
ウォームアップはバンドが良い?
研究では、2種類のウォームアップ方法を比較しました。
① MEB(Multi-dimensional Elastic Band)
多方向から抵抗がかかる特殊なエラスティックバンドを用いて身体を活性化する方法です。
② HBS(Heavy Back Squat)
高重量のバーベルスクワットによって筋肉と神経を刺激する方法です。
その後、時間経過に伴うPAPEの変化を評価し、どちらがより効率よくパフォーマンスを高められるかを比較しました。
PAPEとは?
PAPEとは、強い筋収縮を一度行うことで、その後のジャンプやダッシュ、筋力発揮などのパフォーマンスが一時的に向上する現象です。
ただし、刺激が強すぎると疲労が残ってしまい、逆にパフォーマンスが低下することもあります。
そのため、「十分な刺激」と「疲労」のバランスが重要になります。
研究結果① どちらのウォームアップでもPAPEは得られた
今回の研究では、MEBと高重量スクワットの両方でPAPEが確認されました。
つまり、必ずしも重いバーベルを使わなくても、適切な刺激を与えることでパフォーマンス向上は期待できることが示されました。
研究結果② バンドは回復が早く、短時間で効果を発揮
最も興味深い結果は、MEBの方が疲労からの回復が早く、短時間でPAPEを発揮しやすかったことです。
一方、高重量スクワットでは強い刺激が得られる反面、疲労も大きくなるため、パフォーマンスが向上するまでにより長い回復時間が必要となりました。
つまり
・時間に余裕がある場合は高重量スクワットでも有効
・競技開始まで時間が限られている場合はMEBの方が実用的
ということが示唆されました。
試合前のウォームアップにどう活かせる?
この研究結果から考えると、ウォームアップ方法は競技開始までの時間によって使い分けるのがよさそうです。
例えば
・試合開始まで10〜20分程度しかない場合はMEBを用いた活性化
・30分以上ウォームアップ時間が確保できる場合は高重量スクワット
という選択肢が考えられます。
重要なのは、「強い刺激を入れること」ではなく、競技開始のタイミングで最も高いパフォーマンスを発揮できる状態を作ることです。
この研究からわかること
これまでPAPEというと、高重量スクワットが代表的な方法として知られていました。
しかし今回の研究では、多方向エラスティックバンドを使ったウォームアップでも同様の効果が得ら
れ、さらに短時間でパフォーマンス向上が期待できる可能性が示されました。
競技前のウォームアップでは、刺激量だけでなく、競技開始までの時間や疲労管理も考慮することが重要なのかもしれません。
まとめ
今回の研究では、多方向エラスティックバンド(MEB)と高重量スクワット(HBS)の両方でPAPEが確認されました。
一方で、MEBは疲労からの回復が早く、短時間でパフォーマンス向上が期待できる点が特徴でした。
そのため、試合直前やウォームアップ時間が限られている場面では、MEBを活用したウォームアップが有効な選択肢になる可能性があります。
今後は競技特性や個人差を考慮しながら、自分に合ったPAPEの方法を見つけることが、より高いパフォーマンスにつながるでしょう。
引用文献
Liu Y, Zou X, Lu D, Xu N, Chen M, Zhu L. Time-course of post-activation performance enhancement (PAPE) following multi-dimensional elastic band vs. heavy resistance exercise. Frontiers in Physiology. 2026;17:1804907.
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