マルチビタミンは本当に必要?「健康のために飲む」を科学的に考える
- 髙橋 大翔
- 8月5日
- 読了時間: 5分

札幌市豊平区中の島パーソナルジムR. Physio labスタッフの髙橋です!
今回はサプリメントに関しての解説をします!
「マルチビタミンを毎日飲めば健康になれる」
「食事が完璧ではないから、とりあえず飲んでいる」
このように、マルチビタミン・マルチミネラル(MVM)を健康維持のために取り入れている人は多いのではないでしょうか。
しかし、2026年に発表されたレビュー論文では、マルチビタミンは誰にでも健康効果をもたらす“万能の予防薬”ではなく、栄養不足や特定のリスクがある人に適切に使用することが重要だと整理されています。
今回は、マルチビタミン・マルチミネラルや各種栄養補助成分についてまとめたレビューをもとに、サプリメントの役割を解説します。
マルチビタミン・マルチミネラルとは?
マルチビタミン・マルチミネラル(MVM)とは、複数のビタミンやミネラルを1つにまとめたサプリメントです。
一般的には、以下のような栄養素が含まれています。
ビタミンA
ビタミンB群
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
亜鉛
鉄
マグネシウム
セレン
製品によって含有量や配合成分は異なるため、「マルチビタミン」という名前でも中身は同じではありません。
健康な人が飲めば、病気を予防できる?
今回のレビューでは、栄養状態が十分な一般成人に対して、マルチビタミンが心血管疾患や死亡リスクを大きく減らすという強い証拠は限られていると整理されています。
つまり
「飲めば健康寿命が大幅に延びる」
「病気を確実に予防できる」
とまでは言えません。
マルチビタミンは薬ではなく、基本的には食事で不足しやすい栄養素を補うための補助的な手段です。
普段から十分なエネルギーと栄養素を摂取できている場合、さらにサプリメントを追加しても、健康効果が大きく上乗せされるとは限りません。
マルチビタミンが役立つ可能性がある人
一方で、栄養不足のリスクがある人では、マルチビタミンが役立つ可能性があります。
例えば、以下のようなケースです。
食事量が少ない人
食欲低下や忙しさによって食事量が少ない場合、複数のビタミンやミネラルが不足する可能性があります。
妊娠・授乳期
妊娠・授乳中は、通常より多く必要になる栄養素があります。
ただし、必要な栄養素や摂取量は時期によって異なるため、自己判断ではなく医師や管理栄養士などに相談することが重要です。
消化・吸収に問題がある人
消化管疾患や吸収不良がある場合、食事から摂取していても栄養素を十分に吸収できないことがあります。
胃の手術や減量手術を受けた人
消化管の構造が変化すると、特定のビタミンやミネラルが不足しやすくなる場合があります。
高齢者やフレイルのリスクがある人
高齢になると、食事量の減少、噛む力の低下、消化吸収の変化などによって、栄養不足が起こりやすくなります。
このような場合は、食事内容の改善に加えて、必要な栄養素を補う選択肢としてサプリメントを検討する価値があります。
認知機能への効果は?
レビューでは、高齢者の認知機能に対して、マルチビタミンが小さな利益をもたらす可能性についても触れられています。
ただし、現時点では「マルチビタミンを飲めば認知症を予防できる」と断定できるほどの結果ではありません。
認知機能は、栄養だけでなく、
運動習慣
睡眠
血圧や血糖の管理
社会的な交流
知的活動
など、多くの要因の影響を受けます。
サプリメントだけに頼るのではなく、生活習慣全体を整えることが重要です。
「食事の代わり」にはならない
マルチビタミンを飲んでいても、食事の重要性は変わりません。
食品には、サプリメントでは十分に再現できない成分が含まれています。
例えば
食物繊維
ポリフェノール
さまざまな植物由来成分
食品ごとの複雑な栄養素の組み合わせ
などです。
また、食事は栄養素を摂取するだけでなく、満腹感や食習慣の形成にも関わります。
そのため、基本は「食事を整え、不足がある場合にサプリメントを補助的に使う」という考え方が合理的です。
サプリメントは多く飲めば良いわけではない
ビタミンやミネラルは、不足すると健康に影響します。
しかし、必要量を超えて大量に摂取すれば、効果が高まるとは限りません。
栄養素によっては、過剰摂取によって
胃腸症状
他の栄養素の吸収阻害
薬との相互作用
特定の栄養素の過剰蓄積
などが起こる可能性があります。
特に、複数のサプリメントを併用している場合は、同じ栄養素を重複して摂取していることがあります。
「マルチビタミンを飲んでいるから安心」と考えるのではなく、成分表示を確認することが大切です。
まとめ
マルチビタミン・マルチミネラルは、すべての人の健康を大きく改善する万能のサプリメントではありません。
一方で、食事量が少ない人、栄養不足のリスクがある人、特定のライフステージや健康状態にある人にとっては、栄養を補う有用な手段になる可能性があります。
重要なのは、「何となく飲む」ことではなく、自分に不足している栄養素や必要性を考えることです。
まずは普段の食事を見直し、必要に応じてサプリメントを活用する。
それが、マルチビタミンと上手に付き合うための基本といえるでしょう。
参考文献
A to Z of Health: An Evidence-Based Narrative Review of Multivitamin-Multimineral and Nutraceutical Supplementation.Cureus. 2026;18(4):e108032.
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