カフェインはアスリートのパフォーマンスを高める?最新メタ解析からわかる効果
- 髙橋 大翔
- 7月31日
- 読了時間: 5分
更新日:8月4日

札幌市豊平区中の島にあるパーソナルジムR. Physio labスタッフの髙橋です!
今回はカフェインとアスリートに関して解説します!
試合前にコーヒーやエナジードリンクを飲むアスリートは少なくありません。
「カフェインを摂ると集中力が上がる」
「疲れにくくなる」
「いつもより動ける気がする」
このような感覚を持つ方もいるのではないでしょうか。
では、カフェインは実際にスポーツパフォーマンスを向上させるのでしょうか?
2026年に発表されたシステマティックレビューとメタ解析では、バスケットボール選手を対象に、カ
フェイン摂取が身体能力や競技パフォーマンスに与える影響が検討されました。
今回の研究結果は、バスケットボールに限らず、瞬発力や反復ダッシュ、ジャンプ能力が求められる多くの競技を考えるうえでも参考になります。
今回の記事を参考に改めてカフェインの有効性を感じてみましょう!
カフェインはどのような能力を高めたのでしょうか?
研究では、カフェイン摂取によって、主に身体能力に関するパフォーマンスの改善が確認されました。
改善がみられた項目は、次の通りです。
・直線的なスプリント能力
・反復スプリント能力
・ジャンプ高
・敏捷性
・試合や模擬試合における総合的なパフォーマンス
つまり、カフェインは「特定の技術を直接向上させる」というより、走る、跳ぶ、素早く方向を変える、何度も高強度の動きを繰り返すといった身体能力を底上げする方向に働く可能性があります。
一方で、技術的な能力は改善しなかった
すべての競技能力が向上したわけではありません。
今回の研究では、次のような技術的スキルについては、明確な改善が確認されませんでした。
・フリースローの成功率
・3ポイントシュートの成功率
・ドリブル速度
この結果から、カフェインを摂取しただけで、シュートの技術やボール操作が直接向上するとは考えにくいでしょう。
カフェインは、技術そのものを高める「魔法の成分」ではありません。
技術を向上させるためには、やはり競技特性に合わせた反復練習やスキル練習が必要です。
なぜ身体能力が向上するのでしょうか?
カフェインは、中枢神経系に作用し、眠気や疲労感に関係するアデノシン受容体を阻害すると考えられています。
その結果
・疲労感を感じにくくなる
・覚醒度や注意力が高まる
・高い運動強度を維持しやすくなる
・運動中の主観的なきつさが変化する
といった作用が起こる可能性があります。
そのため、試合終盤や高強度の反復運動でも、動きの質を維持しやすくなることが考えられます。
ただし、カフェインの効果には個人差があります。
同じ量を摂取しても、パフォーマンスが大きく向上する人もいれば、ほとんど変化しない人もいます。
どのくらい摂取するとよいのでしょうか?
今回の研究では、比較的少ない量から中程度の量でも、身体能力や試合パフォーマンスの改善がみられました。
特に、体重1kgあたり約2.3〜3mgの摂取量では、スプリントやジャンプなどの身体能力に効果が期待できる可能性があります。
例えば
・体重50kgの場合:約115〜150mg
・体重60kgの場合:約140〜180mg
・体重70kgの場合:約160〜210mg
が目安になります。
一方で、3mg/kgを超える摂取量では、試合に近い状況において、より幅広いパフォーマンス改善が期待できる可能性も示されました。
ただし、摂取量を増やせば効果も大きくなるとは限りません。
カフェインを多く摂りすぎると、
・動悸
・手の震え
・不安感
・胃腸の不快感
・集中力の低下
・睡眠の悪化
などが起こる可能性があります。
特に、夜に試合や練習がある場合は、睡眠への影響にも注意が必要です。
アスリートはどのように活用すればよいのでしょうか?
カフェインを活用する場合は、まず少ない量から自分に合う摂取量を確認することが重要です。
実践する場合は、次のような方法が考えられます。
・まずは体重1kgあたり2〜3mg程度から試す
・試合やトレーニングの約30〜60分前に摂取する
・本番ではなく、普段の練習で効果や副作用を確認する
・睡眠に影響する場合は、摂取量や摂取時間を調整する
・エナジードリンクの場合は、糖質や他の成分も確認する
特に重要なのは
試合当日に初めて試すのではなく、事前の練習で自分に合う量を確認しておくこと
です。
カフェインは、競技力を新たに作るものではありません。
日頃から身につけた筋力、持久力、スプリント能力、競技技術を、本番で発揮しやすくするための補助的な手段と考えるのがよいでしょう。
まとめ
今回の研究では、カフェイン摂取によって、
・スプリント能力
・反復スプリント能力
・ジャンプ能力
・敏捷性
・試合や模擬試合での総合的なパフォーマンス
が改善する可能性が示されました。
一方で、
・シュートの成功率
・ボール操作
・技術的なスキル
については、明確な改善は確認されませんでした。
つまり、カフェインは
「技術を直接上手くする」ものではなく、「走る・跳ぶ・素早く動く・高強度の動きを維持する能力を支える」
方向に働きやすいと考えられます。
競技パフォーマンスを高めたいアスリートにとって、カフェインは有効な選択肢になる可能性がありま
す。
ただし、効果や副作用には個人差があるため、自分に合った摂取量とタイミングを、練習の中で確認することが重要です。
引用文献
Liu J, et al. Effects of caffeine intake on exercise performance in basketball players: a systematic review and meta-analysis. Frontiers in Nutrition. 2026;13:1837912.
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